ダム構造物

定山渓ダム

写真出典:「北海道におけるコンクリートダムの歴史」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)

構造物名 定山渓ダム
構造形式 重力式コンクリートダム
目的 洪水調整、上水道用水、発電
構造諸元 堤高117.5m、堤頂長410.0m、堤体積1,185×10³m³、湛水面積230ha、総貯水量82,300×103m³
事業者 北海道開発局
設計者 北海道開発コンサルタント(株)
施工者 大成建設(株)、地崎工業(株)、佐藤工業(株)
所在地

札幌市 42°59′05″N,141°09′27″E

水系/河川 石狩川/小樽内川
完成年 1989年(平成元年)竣工
概要

 定山渓ダムは、堤高117.5m、堤頂長410.0m、堤体積1,185×10³m³の北海道最大の重力式コンクリートダムである。重力式コンクリートダムはダムの重量で水圧を支持する構造であり、コンクリートダムでは最も多く築造されている。従来の施工方法には柱状ブロック工法、レヤー工法、RCD(Roller Compacted Dam-Concrete)工法、拡張レアー工法があり、多種多様である。

 ダムサイトは支笏湖・洞爺国立公園内に位置する。建設当時、環境影響の技術的手法が確立されていなかったため、4年間に亘って学識経験者からなる環境アセスメント委員会を設置し、生態系の調査や環境予測評価に関して多くの助言・提言が得られた。これらの提言を受けて、左右岸の地形を大きく改変しなければならないケーブル・クレーンに替えて、3基のジブクラインミング・クレーンを配置した。また、水没する道路の付け替えにはトンネル(全体の42%)を多くして自然環境の保護に努めた。

 堤体積が大きいことからコンクリートの温度応力によるひび割れ発生が懸念された。そのため、パイプクーリングを実施するとともに、上下流方向を3分割した柱状ブロック工法を採用した。

引用文献:「北海道におけるコンクリートダムの歴史」(北海道土木技術会コンクリート研究委員会)
PAGETOP