環境負荷低減を目的に、コンクリート材料として、産業副産物起源の混和材が利用されています。主要な材料としては、高炉スラグ微粉末およびフライアッシュであり、それぞれコンクリート用混和材として、JISA 6206、JISA 6201で規格化されています。そして、これらの材料は、環境負荷低減に加えて、コンクリート構造物の耐久性の確保、ひび割れ防止、施工性の向上などに有効であります。北海道においても、高炉スラグセメントの利用や、特にダムコンクリートにおけるフライアッシュが利用されています。
しかしながら、積極的な利活用までには至っていないのが現状であり、社会的意義を考えると、この状況を改善する必要があります。最近、そのための仕組みや技術的な解決策が図られているところでありますが、高炉スラグ微粉末やフライアッシュの産地は限定されており、品質や流通の仕組みも含めたシステムとしての利用技術を構築する必要があります。本委員会では、低炭素社会の形成に寄与することを目指して、コンクリート用混和材を主体とした産業副産物起源の材料に対する有効かつ積極利用に資する寒冷地技術を研究する目的で活動を行っています。